2015年03月01日

我が家のおバカで愛しいアニキ

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よくね

自宅介護でさ
老老介護とかさ
なんでヘルパーさんいれないんだろって言うけれど、
ヘルパーさんといえど
他人を家の中に入れるという「気疲れ」をわかってないと却って・・・・ってことだってあると思うんだけどな。

ヘルパーさんだって迎える方だって
お互い人間だもの。

相性だってある。

分かり合うには時間もかかるって
それは当たり前のことだけど
現実は「待てない」で押し切られだもんね。

救急車ひとつ呼ぶにしても、
「迷惑かけちゃいけない」って
呼ぶのを躊躇う高齢者とその介護者ってたっくさんいる。

「迷惑をかけちゃいけない」。

国王がそうだったように。

夜の心細さ、
追い詰められた気持ち、
少しでも軽減しますように。

健やかな眠りがありますように。
そして一日に一度でも。
笑顔がありますように。

繰り返される日々
それと向き合う中でなんか知らず知らず
ルールができてくるじゃない??

というところで

「我が家のおバカで愛しいアニキ」

主人公のネッド
人がいいってか
良すぎてどうなの?位の人物で
兄弟からも若干馬鹿にされているようなところがあるんだけれども。

ネッドをやるのは
ポールラッド

男前なのだけれど
ひげもじゃ君になると
あら
随分イメージが違うわね。

なんせ
友人の警官に大麻を譲ってあげたら逮捕されてしまうなんてさ
人がいい=足りない?位の人物な訳よ。

すっごく「正直」なのね。

だもんで
逮捕されたこともさ
「ま、実際持っていたんだから
仕方ない」ってな感じで
自分の中では決着ついてて。

そういう彼
「どーすんのよ。
誰が身元引受人に?」
って兄弟は煙たがってて。

で、あれやこれや
アニキが正直(すぎる)ゆえに起こる
騒動の数々。
いろいろしっちゃかめっちゃかっていう
コメデイ映画・・・なんだけど。

で、その
「コメデイ映画」の中で
わたくしが一番印象だったシーン。

エディが
一度すっごく怒るのよ。

それがさ年をとった親が同じ話を繰り返すのを
兄弟がさ
途中で話引き取って
「あ〜この話ね?」ってやっちゃうってのと、

子供交えて家族親戚でジェスチャーゲームやってる時に
子供の番に「あーはいはい、○○でしょ?」的にさっさと・・・って奴。

「話くらいきちんと聞いてやれ」
「子供にはちゃんと最後までやらせてやれ」

そう言って怒る。 
真剣に。

わたくし、正直涙出た。

めんどくさかったり、
あーもうなんて事はあっても、
そう、そのアニキの視点、
すっごく大事なんじゃないかって思う。

「優しさ」ってさ
「特別」なことじゃ、ない。

狭いところで守られているところで
綺麗に演出するのは簡単。

きちんと待って、
きちんと付き合うこと。

『我が家のおバカで愛しいアニキ』

まあ、ショーもないといえばしょーもない作品かも・・・

だけど大事なこと言ってるなあって思ったよ〜う。

なんかね
笑いながら大事なことを・・・ね。





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posted by kazoo at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画(わ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月12日

野いちご

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イングマール・ベルイマンです。」

「え?なに?
いんぐりまんぐり??」

「・・・もうさ
あーたのそういう教養のかけらもないボケに
いちいち突っ込むのも
しんどいのよ
私もさーー」

「教養がなくて
悪うござんしたわね!」

イングマール・べルイマンって言えば
あーた
映画界の巨匠よ!?
タルコフスキーがオールタイムベストの一本にあげたっていう
「野いちご」を今日は取り上げんだけどさ

アンドレイ・タルコフスキーだけじゃなくて
ジャームッシュとかも
「影響受けた」って言っているし
ウディ・アレン
フランソワ・オゾンも!!」

「う〜〜ん
だけどさあ
そういう「スゴイよ凄いよ」っていう作品って
な〜〜んか頭でっかちな内容のが多くて
観てるこっちにすりゃあ
観念的で面白くないわ〜ってイメージが強いんだけどー」

「あー
まあ
あーたの言っていることも
わからんでも
ないわよ。

でもさ、この「野いちご」
他のベルイマン作品に比べても
かな〜〜り見やすいと思うし

とにかくあーた!!!!」

「なによ」

「トラウマレベル!!!」

「な、なにが???」

「そもそも
物語は78歳の年老いた医者
イーサクを主人公に進むんだけどさ

このイーサクというのが

「その場にいない人間の悪口言って
それを人間付き合いなんて言ってることが
煩わしいので
自分はそういう関係性を絶ってきたのだ」

なんて言っている人で
その結果
「孤独」なんだって自己分析してみせる人物。」

「あら」

シニカルで頑固で
エゴイストと罵られるシーンもあるんだけど」

「まんま、あーたじゃないの!!」

「・・・・否定はしないわよ。
ふんッ!!
むしろ光栄だわよ」

「あら、開き直った」

「もう随分昔に作られた作品
1957年の作品なんだけど」

58年前!?」

「そう考えるとさ
な〜〜んか
「人間って・・・」って思わない??

本質的に
社会状況はもちろん
あれこれ変化しているしさあ

それに伴って
考えることの変化・・・これはあるって
わかっているけれど

こう・・・
なんつうか

生とかさ
死とか

あるいは老いとか
若さとか

宗教とか

「変わらぬ何かがあるって言いたいのね??」

「そうそう
そこをさ
見事に切り取って
描いている訳よ」

「ふう〜〜〜ん」

「まあ
ピンときていない感じねえ」

「だってこの作品
モノクロだしさあ

余程でなけりゃ
「見よう」って気にならないわよ
現代っ子のあたしとしちゃ!!!」

「現代っ子って・・・
その単語のセレクトセンスが
既に「現代」ではないような気がするけど
まあいいわ。

あのさ
冒頭で
イーサクが観た夢の再現シーンがあるんだけど」

「ふ〜ん」

「人っ子ひとりいない
街の通りをイーサクが歩いてるの」

「うん」

「で
なんか
不穏な感じで
彼は時計を見るんだけど」

「うん」

「その時計には
針がないのよ」

「え?」

「で、街にある
大きな時計を見上げるんだけど」

「うん」

「その時計にも
針がない」

「・・・なによ、それ〜〜〜」

「そうこうするうちに
馬車がやってくるのね」

「うん」

「荷台には
棺桶が積んであるの」

「・・・・」

「で、さ
街灯に片方の車輪が引っかかって
車輪が取れて」

「・・・・・」

「荷台にあった棺桶が
道に投げ出される」

「・・・・・」

「そうしたら
蓋がちょっとずれてさ
そこから手が見えるの」

「!!!!!」

「イーサクが近づくとさ
その手が」

「その手が!?」

「イーサクの腕をさ、
掴むのよ!
こうやって!!!」

「きゃーーーーー!!!!!」

「そうして
掴んだその手の持ち主の顔は」

「な、なによ!!」

「イーサクだったのよ〜〜〜!!!」

「や、やめて〜〜〜〜!!!!!!」

「もうさ
トラウマレベルの見せ方
その巧さ!」

「ひ〜〜ん・・・・」

「家族の関係を見せるにもさ
老女の役をやった女優の
セレクトがさ〜〜〜〜」

「なに??」

「まあ、見てみなさい。
なんとも言えない
ほんっとなんとも言えない
存在感なのよ〜〜〜。

そしてまた
それに比べて

若い娘たちの
瑞々しい佇まいったら!!!」

「実際
ベルイマンのミューズだったんでしょ?

ビビ・アンデショーンとイングリット・チューリン

「そうそう
良く知ってるじゃないの」

「とにかくさ
私としたら
これが58年も前に作られたってことも
鑑みて

やっぱ
ベルイマン
只者じゃないな、と。」

「うん」

「このイメージの奔流っぷりは
やっぱり一見の価値アリ!だわよ。」

「ほ〜〜う」

「モノクロ映画の
雄弁さを
ご堪能あれ!!」

「トラウマレベルなのね?」

「トラウマレベルよ!!」


 

posted by kazoo at 14:44| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画(な) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月18日

ブランカ二エベス

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いやあ〜〜〜
別にホラー、ファンタジー好きの友人に
勧められたって訳でもないのに
DVDパッケージの
妖しいオーラにやられて手にとったのが
運の尽き

これ、
これ、
まさしく
「トラウマレベル」の作品だわよ〜〜〜〜!!!!

「ブランカ二エベス」はスペイン語で
「白雪姫」って意味。

そう、これは
あの白雪姫のストーリーを換骨奪胎

「え?
どうなる??
どうなるの??」

ちょっとか前
「ほんとは怖いグリム童話」とか
そういう本
流行ったよね〜??

昔昔
あるところに・・・っていう物語って
実は
とても残酷で
とてもセンシュアルな内容だったりする

お子様に
道徳的教義を教えるために存在する・・・ってだけじゃ
なかったりするじゃん??

まずこの作品
モノクロです。

しかも、サイレント

わたくし
「え?」って最初はとまどったんだけど
すぐにノレた。

な〜〜んせ
「画力」
画面の「画力」が半端じゃない!

ヒロインや継母の美しさ

特に
継母役のマリベル・ベルドゥ
ちょっとあくどいくらいの美貌は
一見の価値アリ。

それにね
「誰も見たことのない物語」と謳うだけはあるわよ

確かにこんな物語
わたくしは
想像もつかなかったもの!!

白雪姫プラス赤ずきんプラス眠れる森の美女
プラス闘牛

いやあ
すごいわ。

最近でのサイレントムービーって聞くと
オスカー取った
「アーティスト」が頭に浮かぶ人
多いと思うけれども

わたくし的には断然
ブランカ二エベスに軍配!!!

誰もが知っている物語がベースにあるのに
ストーリー展開に
既視感がない、この凄さ!


天才闘牛士と名高き父を持った
娘、カルメン

その出生と同時に
彼女の母は死亡。

同時に父も闘牛の際
手足の感覚を無くしてしまう
大怪我を負う。

栄光と愛の絶頂から奈落に落とされた父は深く絶望し
母の命と引き換えに生まれた
カルメンを遠ざけてしまう。

そして看護婦をしていた
継母と再婚。

ところがこの継母が
とんでもない奴で

再婚して
父親の莫大なお金を手中に収めるや
介護ネグレスト

そして引き取った
カルメンも虐げこき使う。

大きな大きなお屋敷の中
出入りを禁じられた部屋の中
孤独に生きる父親と巡り合うカルメン。

遠ざけてしまったことを詫び
闘牛の技術を伝える父。

でも2人の幸せな時間は
そうそう長く続かない。

美しく育ったカルメン
父は殺され
自らもまたある日
継母の策略で命を奪われかけるものの

「小人闘牛士団」の面々に救われ
一緒に旅をすることに。

いつしか
「白雪姫(ブランカ二エベス)」と名づけた
見世物巡業は
大きな人気を博することになる。

と・こ・ろ・が

またもや
継母の策略で
毒りんごを口にしたカルメン

そして物語は
ラストへ!!!!

この
ラストシーンで
わたくし
マジで鳥肌たちましたの。

怖かった〜〜〜〜

ほんっと

ここ最近観た映画の中で
こんなに
「怖い」って思ったことは
ないかもしれない。

とにかく
実母が
カルメンを出産して
すぐに絶命するシーンとかさ

小人達の存在とか

繰り返すけれども
画力が半端ない。

「生」と「死」と「性」が
みごとに交差しているのよ。


カルメンは
美しく
魅力あふれる存在なのだけれど

でも
「純粋」という名の「無知」
そこから引き寄せられる「不運」

そう
「不運」

その内容がさあ〜〜〜〜

女性だったら
このねっとりとまとわりつくような
恐ろしさ
身体の芯から「嫌だ〜」って感じてしまうっちゅうかさあ〜〜〜

自分の美しさを守るには
「無知」ではいけないのだわよ。

とーにかく
このラスト!!!!

わたくし
マジ
トラウマになりそうざんす。

怖い!!!

しっかし
見事な「ダーク」ファンタジー

見事な
見事な
ラストシーン

トラウマレベルの
ラストシーン!!!!!!!!!

いやあ
脱帽。








posted by kazoo at 15:43| Comment(0) | TrackBack(10) | 映画(は) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする