2014年10月27日

昼顔

 「お仏蘭西映画よ」



「お仏蘭西映画」



アフロ田中 の田中が
仏蘭西ってだけで
なんか凄いって言っている
お仏蘭西」



「アモーレ!」



「アモーレ!!」



「あちゃらの知人が
アメリカ人は父性で
アジアは母性の文化だって。



そして
お仏蘭西の人達は
ひたすら
恋愛!
恋愛の文化
って言い切ってたけどー」



「そうなの?」



「どうなんでしょう」



「何よ
無責任ね」



「でも、確かに
1967年
昭和で言えば42年
こんな映画が撮られているくらいだものねえ」



「昭和42年つうと
あたしがオミズから
君こそ我が命って歌われていた頃だわ」

「オミズ??」



水原弘 よ、知らないの?」



「知らないわ。



あーたにそんなこと歌っていたなんて
頭の中キャッホーだった人??」



「失礼ねッ!!



オミズは男の純情マンだったのよ」



「なんかさー
同じ昭和のかほりでも
あたしなんか
「好きさ好きさ好きさ」だったもの〜〜」



カーナビーツ !!!

・・・
あーたがそんなこと歌われていた訳はないわ。
どうせ本当は
帰ってきたヨッパライのモデルだったってのが
オチなんでしょ!」


「失礼ね〜〜〜〜」



「どっちが〜〜〜」



「・・・まあ2人でいがみ合っていても
仕方ないから話し戻すけど」



「どうぞ」




ルイス・ブニュエル 監督って
「不条理」とか評されることが多い監督じゃない??」



「うん。



でもさー不条理って言うよりも
観客を信用しているのねって
あたしは思っちゃうわ」



「そう
観客の想像力にゆだねているよね」



「なんか最近
説明しすぎの映画が多いからさあ」



「そそそ
本当はさ
余白があって余韻に繋がる
そんな事実だってあるものねー」



「だとしたらさ
昭和42年の観客達は相当練れていて
今のあたし達よりも
豊かだったってことだわねー」



「そうね〜〜」



「う〜〜む」



「う〜〜む」



「だからってわけでもないけれど
妄想好きのあの方なんぞには」



「お奨め!!」



「お奨めよね!!!」



「物語は
一組の夫婦がいて
旦那は医者でハンサム
妻は気品があって美人
・・・
なんだけどー」



「けどー」



「彼女、不感症なのよね」



「うん」



「で、彼女
娼館で「昼顔」って源氏名で
働き始めるの」



「なんで!!
すっごくスキャンダラスな話し!!」



「どうやら
彼女が不感症であるのは
幼い頃に何かあったようだとか
カットが入ってくるのでそれと推察されるのだけれども」



「この「昼顔」をやるのが
カトリーヌドヌーブ !!!」



「まず、とにかく
もうすっごく、綺麗!」



「綺麗すぎてなんだか
ちょっと怖い位なの」



「なんというか
お人形さんみたいって言い方は
陳腐だと思うけれども
まさしくお人形さんみたいよね」



「なんかさー
あまりにも綺麗すぎて
ちょっとフリークスっぽいっていうか〜〜」



「そう、だからかしら
彼女が不感症って設定が
すんなり入ってくるのね」



「ほら



子供の頃の何かを匂わせてはいるけれど



それより
彼女自身の美貌がさー
そこに至った彼女の今の
全ての答え、原因だった
って気がしない??」



「あー、ねえ」



「でさ、
多分、監督もそこらへんを強く感じたに違いないのよ」



彼女に泥をぶつけるシーンとか」



鞭打つシーンとか」






「なんというか
完璧すぎるから
壊したくなっちゃうのね、きっと」



「あたしはさー



彼女
「昼顔」がさ
優しい旦那を持ちながら
不感症で
旦那を受け入れられないってのはさ



やっぱし
その美貌に男が臆しちゃうって部分もあるんだと思うの」



「あーーー」



「あたしもさー
美貌で売っている女だからよく判るんだけどー」



「・・・・・」



彼女に対して臆していることを
ある意味誤魔化している
旦那は「優しさ」に巧く変換しているんじゃないか

ともいえると思うの」



「う〜〜ん」



「だからさ
彼女は娼婦となることによって
彼女を娼婦として扱う男達によって
まず肉体的に開放されていくのね。



だって
そこには
余計な「優しさ」なんかなくって
乱暴な「欲求」があるだけだからさー



そして
彼女の美貌に臆するどころか
それはさ美貌は
単なる商品価値として男達が捉えてるからさ
結構乱暴に
「乗り越えてくる」
訳じゃん。
そうやって
彼女を乱暴に扱うことで
彼女自身も精神的にも開放されていくんだと思うのよ」



「どういうこと?」



「つまりさー
多分彼女は
彼女の自意識を超えて
自分を開放してくれる人を望んでいる
んだと思うの。



それに誰がはまるかって言うと
最終的には
旦那
なんだけれども



旦那は隔靴掻痒つうか、さ
今の段階で
ちょっと、な感じ。



だからその前段階で
他者が必要になるのだ
と思うのよ」



「ふむふむ」






「でさ、その「他者が必要になる過程」にスポットを当てて
これ単に
「男性が作った綺麗なお姉さんへの妄想ファンタジー」



って風にも読み解けるし」



「娼館にあんな人いないわよ〜〜
いっくらお仏蘭西でも〜〜」


「そういうことじゃないでしょ」



「また
自意識から開放されたい女が果たした
冒険談。
一種の地獄めぐり
にも見えるし」



「あーねえ」



「あるいは
彼女自身の
催眠術による不感症治療の途中の妄想を
映像化した
とも。



つまり劇中ファンタジー。」



「えー???」



「だって、ラスト近く
ずーっと鳴っている鈴の音は、
催眠術に使う鈴
そういうことなのかもしれないじゃない??」



「あ、そっかー」



「でさ



大事なのは



これ



「男性から観たファンタジー」



って部分を描いているだけじゃないってこと」



「あ、それはそうね」



「だってさ
他者を望んでいながら
彼女はやっぱり他者を選別せずにもいられなくて




「あーあの若者ね」



「でも、来ちゃうじゃない??
彼女の領分に
入ってきちゃう。」



「うん」



「でさ、それはさ
望んでいないわけよ。






女ってさ
何もかも本当に
何もかも
明け渡したいって言葉じゃ言うけど



「秘密」を持たなくちゃ
関係性を持続できない人種だと思わない??」



「秘密の大小はあるけどね」



「そこをこの男は
判ってない」



「彼女の自己解放の
最終キーパーソンは
あっくまでも
「優しい」旦那であって
あの若者は
過程のパーツでしかないってのは
そういうことよね。






「あのさ
よく男性が
「本当はこういう破滅願望っていうのが
女性にはあるよね」
とか
知った風なこという奴いるじゃん??」



「あーオラオラ系の中途半端な奴が
語ったりするよね」



「本当は、だろう??とかさー」



「あーた、変なもの読みすぎじゃない??」



「親父でもさー
いるよね」



「過去の恋愛話を
あれこれ語っちゃうような奴ね」



「そうそう、例えば
渡辺なんちゃらとかね」



「医者ってキー持ってるから
俺の言うことは絶対
妙に自信満々な」



「きっとこの映画のあの
旦那に全部喋っちゃう男みたいなタイプね」



 「判っているようなこと言っていたけれど
あいつだって
結局は
「パーツ」でしかないのに」



「でさ、この映画の中で



破滅するのは
彼女じゃないのよね」



「うんうん」



破滅するのは
彼女が「受け入れなかった」人
なのよ」



「必要な時に
必要な他者を
選別しているのは
女よね」



「でしょ??」



「だからさ
男性から観た
ある種のファンタジーで



「だから女って奴は」



って風に読み解くとすればよ
かな〜〜り怖い映画だと思うわ」



「そうねー」




「実際
カトリーヌドヌーブ自身も
こんなに完璧な美貌を誇りながら
長い間
自身の姉に対して
深刻なコンプレックスを抱いていたっていうし」



「判らないものよね〜」



「ね〜〜〜
本当に綺麗な人の闇って
あーたには
なっかなか判らないでしょう?」



「って、あーたが判っているとも
思えないけど??」



「ふんっ!!」



「ふんっ!!!」



「更に怖いのは
ほんとうはさー
妄想ファンタジーであっても
劇中治療であっても
地獄めぐりであっても



それら全てであるかもしれないし
そうじゃないかもって部分
よね」



「あ、そりゃそうよね。
観客にゆだねているけど
明快な「答え」がある映画ではない
ってことは、そういうことだわね」



「監督は
観客にゆだねながら
なんかその様子を観て
笑っているような気もするわ」



「そういう意味じゃ
すっごく語りたくなる作品よね」



「そうそう
あなたの解釈は??って」



「ねー」



「後、やっぱり映像が雄弁!



「ドヌーブにぶつけられる泥と肌の色の対比とか」



「若者の靴下の穴とか」



「銀歯とか」



「ねー!」



「ねー!!」






「後、ファッション!



「ファッション!!」



「ピンクの部屋着とか」



「サングラスの形」



「金で気品は買えないっていう台詞があるけど」



「そうよね〜〜〜」



「チープシックの対極にあるエレガンス!」



「うっとり〜〜〜」



「うっとり〜〜〜」



「あたしのこと
これから「昼顔」って呼んでくれてもよくってよ」



「はあ〜〜〜????」



「究極のエレガンス
美貌
そして抑圧されながらも開放された
複雑な人物像
過不足なし!じゃない???」



「なし!って
もう、どっから突っ込めばいいのか・・・」



「決まり!
これから「昼顔」って呼んでね〜〜ん」



「・・・「昼行灯」」



「!!!!!!!!!!!!!」


posted by kazoo at 10:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画(は) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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