2014年12月26日

初春狸御殿

「おかずですッ!」



「ずーこです!!」



「ふたり揃って」



「映画に耽溺〜〜〜!!!」




「さて」



「さて?」



「えっと

野口久光展を見に行ったら

映画もやってたって話を

今日はしたいんだけど」



「あら、いいじゃない」



「そうそう

係りのお姉さんに

1時30分から2時58分までですよ〜

とか言われてさ」



「チケット代に

鑑賞代金も含まれるという訳だったのね」



「そそそそそ。


今の時期

京都はどこもかしこも

人、人、人!だけどさ

ここ京都博物館はマジ穴場よ〜〜」



「そうね〜〜

天井は高いし

お茶できる場所もあるし


なんかゆったりした時間が流れているわよね」



「そそそそそそ」



「・・・まああーたみたいに

ゆったりした場所に行っても・・・な人もいるけどさ」



「その言葉はそっくりそのまま

ブローっく!!!ANDアターっく!!!!」




「・・・で、なにを観たのよ」



「初春狸御殿」



「・・・・はあ???」



「だ・か・ら、初春狸御殿」



「狸のお話なの??」



「そうよ!

ま・ん・ま、狸のお話よ〜〜」



「狸〜〜〜???」



「そうよ、狸!!



言っとくけど「狸御殿」シリーズってのは

何度も何度もリメイクされているんだから!」



「あ、そういえば

鈴木清順がリメイクしていたっけか」




「そうそう。


で、

「初春狸御殿」は

シリーズで初めての「カラー」作品」



「ほほう」



「だからもう

作り手が

嬉しくて嬉しくて作ってる

ってのが伝わる感じ。


出演している若尾文子が若いの!

多分「絶賛売り出し中」時代ね


2役やってるのよ」



「あら」



「一つは親思いでけなげなお黒


ひとつは自信満々で

「わらわは狸なんかと結婚せぬ!

わらわの夫は人間じゃ!」なきぬた姫



「えっと、どちらも狸なのよね?」



「そうよ」



「お黒の父、泥右衛門

かちかち山でてひどい火傷を背中におって

パッとしない日々を送っているんだけどさ

それでもなんとかもう一度って

お黒にしてみりゃ悪巧みばっか考えてて」



「かちかち山って!」



「そうよ。

あーただって知っているでしょうよ」


「そりゃ、知ってるけど」



「とーにかく

のんきというかシュールというかの

内容の作品でさあ」



「ふふふ」



「お黒は

みんなに迷惑かけちゃいけないって

父、泥右衛門を事あるごとに

諌めようとするんだけど

うまくいかない。」


「うんうん」



「で、また悪巧みをした泥右衛門と

それを追いかけて来たお黒は

狸御殿で

捕まっちゃうの」



「誰に?」



「狸たちに」



「・・・そっか狸の話だもんね」



「そうよ」



「で、ちょうどその時

きぬた姫

えっとこれは狸の姫君なんだけど

お見合いをさせられそうになっていて


さっきも言った通り

「狸の旦那なんて!」って


お城を飛び出しちゃうのね」



「あらまあ」



「お見合い相手の

狸吉郎様がいらっしゃるのに

あれまあどうしようと困る家臣たち。


狸吉郎様はお金持ちだから

婚礼がまとまれば

一息つける


なのに

肝心のお姫様がいない。


そこで

きぬた姫にそっくりなお黒を

きぬた姫の身代わりにして

お見合いさせる手はずを整えるのよ〜〜」



「ふ〜ん」



「で、身代わりのお黒は

なんせ性格がいいし

可愛いからさあ

狸吉郎様はぞっこんになっちゃうのさ」



「あららら」



「で、お黒も若様が

大好きになっちゃうんだけれど

自分はあくまで「身代わり」なんだからって

必死で自分を抑えようとするのね」



「切ないわね〜」



「そうなのよ。

狸の中でそもそも

卑しいも卑しくもないんじゃないか。


狸はみな平等!!


世界は一家!

狸はみな兄弟!!!」



「・・・・で、それからどうなるの?」



「で、で、

そうこうしているうちに

なんと飛び出したはずのきぬた姫が

「やっぱり自惚れだったわ。

私に騙される人間の男はいない」

って挫折して狸御殿に戻ってきちゃうの!!!!」



「え?

じゃあ

お黒ちゃんは???」



「お黒の父は

「このまま娘がうまく若様の奥方に収まれば

俺は左うちわ」って思ってたところに

姫が帰ってきちゃうじゃん???」


「うん」



「しかも

まっすぐお城にも帰らず

一夜の宿をってよりにもよって

泥右衛門の巣穴に来ちゃうんだもの」



「飛んで火にいる」



「狸穴!」



「泥右衛門はお黒の出世のために

きぬた姫を殺しちゃおうと考える」



「きゃ〜〜〜〜〜」



「そこへお黒がやってきて」



「帰ってきて」



「あたしが先に様子を見てくるから


って泥右衛門を制して

その隙に

きぬた姫を逃がしちゃうのよ〜〜〜〜」



「いい子ね〜〜〜」



「しかもさあ

泥右衛門はお黒をきぬた姫だと勘違いして

切りつけちゃうの」



「え〜〜〜ッ!!!」



「最後にはなんとか娘のお黒だって

判りはするんだけれど

瀕死の重傷を負ったお黒は

「これで考えを変えてくれるなら

わたしはちっとも痛くない」


「あ〜〜〜ん」


「で、きぬた姫は

無事にお城に戻って

若様狸吉郎様とめでたしめでたし。


「娘が生まれたら

お黒って名前にしてくださいね」なんつって」



「ふむ。」



「で、お黒は

なんとか命助かって

「わたしは身代わり」だからさ

泥右衛門の背中の火傷の薬を売ってくれていた

薬売りの栗助と

見つめ合って」



「見つめ合って?」



「おしまい」



「え!?」



「そーなのよ

唐突にいきなりバタバタっと店じまい



「そ、そうなんだ〜〜〜」


「それがさあ

これ観ていたの

観客の方々の年齢層がかなり高かったのよ〜」



「そうなの」



「そうそう。

一応満席に近かったんだけれども

白髪頭がにょきにょきと」



「そうなんだ」



「したっけさあ〜〜〜


一緒に観ていたお爺ちゃん

(お婆ちゃんもいたけど、

なんせお爺ちゃん率が高かった)


終わった瞬間に



「可哀想じゃないか!!!!」


「お黒が可哀想だ!!!!」


「若様狸はなにやってんだ!」


「顔が一緒なら

なんでもいいのか!!!」


「まったく!!!!」


もうさあ〜〜〜〜〜


あたし

おっかしくておかしくて


あ〜〜〜〜〜〜

あれ聞けただけで

観た甲斐があったってなもんよ。」



「アハハ」



「でさ、シュールと言えば

お見合いのお相手

狸吉郎様役をやるのが

な〜〜〜んと!」



「誰よ」



「市川雷蔵!」



「えええええ〜〜〜〜〜ッ!!!????」



「もう私もさあ

見てて


「狸の若様が雷蔵様・・・」


しか〜も

狸若様

踊る踊る

歌う歌う」



「そうなの〜〜???」



「そうなのよ〜〜

円月殺法の雷蔵様が

狸の若様よッ!!!


これをシュールと言わずして

なにをシュールと!!!!」



「ま、まあそうだわねえ」



「それでさ

薬売りの役をやるのが」



「今度は誰?」



「若き日の

勝新太郎!!!!」



ひょえ〜〜〜〜〜〜」



「勝新の若い頃って

濃くて金太郎さん的なこれまた

素敵で可愛い男伊達なのよ〜〜」



「そうなんだ」



「その勝新がさ

カッパと歌う曲

耳について耳について」



「か、カッパ???」



「そうよ、カッパ!


あの時代に

ニプレスだけの姿で

「お父さんたち、これ見て

嬉しかったんだろうなあ〜〜〜」的な姿の

カッパと一緒にクエックエって歌うのよ!!」



「・・・・・」



「いやあ

きぬた姫の格好もさ

いわゆる日本髪のお姫様スタイルなんだけど

着物にプラスして

イヤリング、ネックレス!


と〜にかく

キッチュで楽しい作品だったわよ〜」



「でも、お黒ちゃんは可哀想なんでしょ?」



「ふぁふぁふぁふぁふぁふぁ」



「なによ」



「狸のことは

狸にしかわからぬ」



「もう〜〜

なに言ってるんだか」



「なんせスクリーンで

あ〜〜んな強烈な作品を観ることになることとは、だったわ〜」



「そんなこと言っているけれど

実は

・・・ひょっとして

あーた、映画見てきたなんて言って

・・・・

・・・・


化かされてきたんじゃないでしょうね???」





「・・・・

・・・・

・・・・

・・・・

・・・・えッ???

・・・・

・・・・

ええ〜〜〜〜ッ!!????」


posted by kazoo at 14:17| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画(は) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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