2015年02月25日

チョコレートドーナツ

71lhYqNxx8L__SL1130_.jpg

う〜〜〜ん

久しぶりに
歌を聞いて泣くという状況に陥ってしまった。

アランカミング
絶唱。

チョコレートドーナツです。
原題は
「ANY DAY NOW」

日本語にすると
「今すぐにでも
もうすぐに」ってな感じかな?

なにが
「今すぐに」なんだろう?
「もうすぐに」なにが起こるんだろう?

1979年
それは今から36年前のこと。

36年前か〜〜〜

10年ひと昔とか言うけれど
36年前

それは
「あ、あの頃ね」って
すごく近い昔のようでもあり

「30年前??
あたしまだ生まれてない〜」

遠い遠い過去のようでもあり。

物語はカリフォルニアで
ショーダンサーとして働く
ルディを中心に
語られていく。

シンガーとして夢は持っているけれど
毎日日銭を稼ぐのに精一杯なルディ。

生きるのは
大変で
例え安アパートでも家賃を稼ぐのは
ほんとに大変。

ショーダンサーとしてのステージは
リップシンク
早い話が
口パクで歌い踊るってやつで

これはわたくしのフェイバリットムービー
「プリシラ」でも紹介されていたけど
なかなかにチャーミングな方法論だわよね。

で、
ある日
ルディがステージをつとめるゲイバーに
ひとりの「ゴージャスな」男がやってくる。

それが弁護士のポール

ポールはゲイなんだけど
そのことを隠して生きている。

そうしてルディは
自分の安アパートのご近所さん
ジャンキーの母親の元で
孤独に育った
ダウン症の少年マルコともめぐり合う。

いつしかルディとポールは
愛し合い
そうしてそこにマルコも加わって
「家族」としての生活が始まる。

だけれど
その幸せはすぐに糾弾されることに。

マルコは2人に愛されて愛されて
暮らすのだけれども

でもね
「ゲイカップル」なんてとんでもない。

女装して踊り歌う
ルディは子供に悪影響を与えるわ!

現にマルコのお気に入りのおもちゃは
「お人形」じゃないの!!

そんなこんなでマルコは
2人から引き離されるのよね。

マルコを取り戻すための戦い。

果たして
3人は再び「家族」として暮らせるのか・・・という物語。

う〜〜〜ん。

映画としては
ちょっと舌足らずなところもある。

ルディはカミングアウトしていて
パートナーのポールにも
「差別と戦え
カミングアウトしろ」
って迫るけれども

その時
ポールが言うとおり
「理想主義は結構だけれども
これが現実」
だったりもする訳で。

そう、隠してうまく折り合って
クローゼットの中に逃れつつ
生活していった方が得策ってことだって
往々にしてある。


そのさ
ルディがなぜ
そこまでの「信念」を持つようになったかを
その物語を
もう少しわかりやすく触れていれば
もっと物語に入りやすくなるのになあって
わたくしは思ったのだけれど。

今さ
ゲイカルチャーは絶対に無視できない
大きな大きな潮流であるし
TVなんかもう
オネエサン方なしで番組は作れないってな流れになってる

でも。

「面白い」
「わかるわ〜」

って笑って観ているわたくし達
いや
わたくしが
「本当に」彼女たちを彼らを
理解できているかは
疑問。

もし貴方の彼が
ゲイだったら?

もし貴方の家族が
ゲイだったら??

つまりわたくしが言いたいのは
この物語に出てくる
「わからず屋」で「理解のない」立場の人間に
ならないって保証は
どこにもないなあってこと。

ゲイに限らない
「少数派」に対しての立場ってのは

ついついみんな
「自分は開かれている」
「理解している」
って表明してそう思いがちだけれど

ほんとのところ
どうなんだろう??

だからこそ
「アランカミングが
この作品出演を決めた理由」を
考えずにいられない

そもそもルディは
なぜマルコを必要としたのだろう。

知り合って
どんどん気持ちが
愛情が増すってのも
わかるの

知り合って
お互いに「物語」を育めば
愛は増すもの。

でも
一番最初
「気になる」「見過ごせない」から
「引き取りたい」へ変わる
そこ。

そこ。

マルコが
ルディやポールを必要としたのは
わかるわよね。


わたくしはマルコがさあ
整えられた自分の部屋で
「嬉しすぎて」泣くシーンで胸が熱くなった。

「うれしいんだもの。いいのよ。」と
抱きしめるそこが!

哀しくて泣くのを
悔しくて泣くのを
切なくて泣くのを

きっと
自分に禁じてきたであろう
ルディ

だけど
「嬉しくて泣く」
のは、いいのよ。

赦すの。

マルコをさ
抱きしめるの。

涙が、出た。


そして思ったのよね

きっとさ
ルディは
「嬉しくて泣く」マルコだから
必要だったんだね。
愛したんだ。


ルディは決して
社会的強者じゃない。

金はないし。

リアルでゲイとして
カミングアウトしている
アランカミングのわたくしは知らない
でも
なんだか見えるような気がする
その人生が
その想いが

ルディと
重なり結実している。

「アランカミングの眼差しが深い深い」

うん。
ほんとに。

いつも笑ってるような口元。

厳しい話だけど。

これは1979年
今から36年前のお話。

原題
「ANYDAYNOW」

なにが
「今すぐに」なんだろう?
「もうすぐに」なにが起こるんだろう?

彼らに

そして
我々に。









posted by kazoo at 21:28| Comment(0) | TrackBack(14) | 映画(た) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/414659833
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック

チョコレートドーナツ
Excerpt: 僕たちは忘れない。 ぽっかりと空いた心の穴が 愛で満たされた日々――。 原題 ANY DAY NOW 製作年度 2012年 上映時間 97分 脚本 トラヴィス・ファイン/ジョージ・アーサー・ブルーム..
Weblog: to Heart
Tracked: 2015-02-26 14:50

チョコレートドーナツ 【劇場で鑑賞】
Excerpt: 各国の映画祭で多くの観客賞を受賞したヒューマン ドラマ「チョコレートドーナツ」が公開、 シネスイッチ銀座では全回満席記録を8年ぶりに 更新するという偉業を成し遂げるなど日本でも 注目されている作品のよ..
Weblog: 映画B-ブログ
Tracked: 2015-02-26 17:20

「チョコレートドーナツ」
Excerpt: 「Any Day Now」 2012 USA ルディ・ドナテロに「バーレスク/2010」「テンペスト/2010」のアラン・カミング。 ポール・フラガーに「ジェシー・ジェームズの暗殺/2007」..
Weblog: ヨーロッパ映画を観よう!
Tracked: 2015-02-26 19:45

チョコレートドーナツ
Excerpt: 1979年、アメリカ、カリフォルニア州。 家賃の催促に来た大家にわずかな額を渡して明日払うと言ったルディ(アラン・カミング)は、不機嫌に大家を追い返したついでのように、昨晩からずっと大音量で音楽を流し..
Weblog: I am invincible !
Tracked: 2015-02-26 19:47

ショートレビュー「チョコレートドーナツ・・・・・評価額1650円」
Excerpt: ほんとうの家、ほんとうの家族とは。 1970年代のアメリカ。 ひょんな事から家族となった、ゲイのカップルとダウン症の少年。 しかし彼らの幸せな時は、世間の偏見と不寛容によってあっけなく終わり..
Weblog: ノラネコの呑んで観るシネマ
Tracked: 2015-02-26 22:24

『チョコレートドーナツ』 (2012)
Excerpt: マイノリティが訴えかける真の家族愛! 不条理な世の中に憤り、さらにその先を見据える良作であった。 一昔前より理解は深まったとはいえ、日本を含む各国では依然として同性愛者は結婚が認められず、社会保..
Weblog: 相木悟の映画評
Tracked: 2015-02-26 23:25

映画『チョコレートドーナツ』観たよウゥッ・・・(´;ω;`)
Excerpt: やられた・・・・泣き過ぎです。嗚咽をもらしてしまいそうになりました。 帰宅して公式HPなど見て、また思い出して泣いてます(ノ_・、)グスン… きっと、誰かにおすすめしようとして、タイ..
Weblog: よくばりアンテナ
Tracked: 2015-02-26 23:37

ふたりのパパ〜『チョコレートドーナツ』
Excerpt:  ANY DAY NOW  1979年、カリフォルニア。ショーダンサーのルディ(アラン・カミング)は、客 として店を訪れた検事のポール(ギャレット・ディラハント)と出逢..
Weblog: 真紅のthinkingdays
Tracked: 2015-02-27 10:40

チョコレートドーナツ ★★★★★
Excerpt: 1970年代アメリカの実話を基に、母親に見捨てられたダウン症の少年と一緒に暮らすため、司法や周囲の偏見と闘うゲイカップルの姿を描いた人間ドラマ。ゲイであるがゆえに法の壁に阻まれる苦悩を、テレビドラマ「..
Weblog: パピとママ映画のblog
Tracked: 2015-02-27 12:11

チョコレートドーナツ|たった一つの願いは家族になることだった
Excerpt: 5!予告観た時に既に泣いちゃって、 本編観た時は覚悟してたのにやっぱり泣いちゃった。 世界の片隅で誰にも気づかれずに存在していた僕たちが家族になった。 誰にも気づかれないちっぽけな存在は尊重されないの..
Weblog: ミニシアターで映画を
Tracked: 2015-02-27 14:25

チョコレートドーナッツ   ANY DAY NOW
Excerpt: ここのところ父の一周忌で実家に帰ったり、20年経過した家のリフォームなどで忙しく、 ちょっとブログがご無沙汰になってしまいました 元々筆不精なので、ブログから離れ、文章を書くということから遠ざかるとな..
Weblog: 映画の話でコーヒーブレイク
Tracked: 2015-02-28 00:58

映画・チョコレートドーナツ
Excerpt: 原題 ANY DAY NOW2012年 アメリカ 1970年代のアメリカ・ブルックリンでの実話がもとになっています 1979年、カリフォルニアベッド・ミドラーのようなシンガーを夢見..
Weblog: 読書と映画とガーデニング
Tracked: 2015-02-28 17:00

映画:チョコレート・ドーナツ Any Day Now 一味違う 家族を取り戻す闘い 一味違う ディランの名曲...
Excerpt: 基本プロットは「家族の愛情」 なのだが、タイトルにもしたように「一味違う」プロット。 でも一味違っても、家族は家族。 あまりストーリーに触れたくないので、非常に書きにくい... 映画中、時代..
Weblog: 日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF STRUGGLE 〜
Tracked: 2015-03-01 13:00

映画『チョコレートドーナツ』
Excerpt: 地元のシネコンで、二週間に2本づつ掛る (封切り作ではない)話題作。 見逃して残念だった作品が続きます。 まずは、チョコ
Weblog: ほし★とママのめたぼうな日々♪
Tracked: 2015-03-18 07:18