2015年03月12日

野いちご

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イングマール・ベルイマンです。」

「え?なに?
いんぐりまんぐり??」

「・・・もうさ
あーたのそういう教養のかけらもないボケに
いちいち突っ込むのも
しんどいのよ
私もさーー」

「教養がなくて
悪うござんしたわね!」

イングマール・べルイマンって言えば
あーた
映画界の巨匠よ!?
タルコフスキーがオールタイムベストの一本にあげたっていう
「野いちご」を今日は取り上げんだけどさ

アンドレイ・タルコフスキーだけじゃなくて
ジャームッシュとかも
「影響受けた」って言っているし
ウディ・アレン
フランソワ・オゾンも!!」

「う〜〜ん
だけどさあ
そういう「スゴイよ凄いよ」っていう作品って
な〜〜んか頭でっかちな内容のが多くて
観てるこっちにすりゃあ
観念的で面白くないわ〜ってイメージが強いんだけどー」

「あー
まあ
あーたの言っていることも
わからんでも
ないわよ。

でもさ、この「野いちご」
他のベルイマン作品に比べても
かな〜〜り見やすいと思うし

とにかくあーた!!!!」

「なによ」

「トラウマレベル!!!」

「な、なにが???」

「そもそも
物語は78歳の年老いた医者
イーサクを主人公に進むんだけどさ

このイーサクというのが

「その場にいない人間の悪口言って
それを人間付き合いなんて言ってることが
煩わしいので
自分はそういう関係性を絶ってきたのだ」

なんて言っている人で
その結果
「孤独」なんだって自己分析してみせる人物。」

「あら」

シニカルで頑固で
エゴイストと罵られるシーンもあるんだけど」

「まんま、あーたじゃないの!!」

「・・・・否定はしないわよ。
ふんッ!!
むしろ光栄だわよ」

「あら、開き直った」

「もう随分昔に作られた作品
1957年の作品なんだけど」

58年前!?」

「そう考えるとさ
な〜〜んか
「人間って・・・」って思わない??

本質的に
社会状況はもちろん
あれこれ変化しているしさあ

それに伴って
考えることの変化・・・これはあるって
わかっているけれど

こう・・・
なんつうか

生とかさ
死とか

あるいは老いとか
若さとか

宗教とか

「変わらぬ何かがあるって言いたいのね??」

「そうそう
そこをさ
見事に切り取って
描いている訳よ」

「ふう〜〜〜ん」

「まあ
ピンときていない感じねえ」

「だってこの作品
モノクロだしさあ

余程でなけりゃ
「見よう」って気にならないわよ
現代っ子のあたしとしちゃ!!!」

「現代っ子って・・・
その単語のセレクトセンスが
既に「現代」ではないような気がするけど
まあいいわ。

あのさ
冒頭で
イーサクが観た夢の再現シーンがあるんだけど」

「ふ〜ん」

「人っ子ひとりいない
街の通りをイーサクが歩いてるの」

「うん」

「で
なんか
不穏な感じで
彼は時計を見るんだけど」

「うん」

「その時計には
針がないのよ」

「え?」

「で、街にある
大きな時計を見上げるんだけど」

「うん」

「その時計にも
針がない」

「・・・なによ、それ〜〜〜」

「そうこうするうちに
馬車がやってくるのね」

「うん」

「荷台には
棺桶が積んであるの」

「・・・・」

「で、さ
街灯に片方の車輪が引っかかって
車輪が取れて」

「・・・・・」

「荷台にあった棺桶が
道に投げ出される」

「・・・・・」

「そうしたら
蓋がちょっとずれてさ
そこから手が見えるの」

「!!!!!」

「イーサクが近づくとさ
その手が」

「その手が!?」

「イーサクの腕をさ、
掴むのよ!
こうやって!!!」

「きゃーーーーー!!!!!」

「そうして
掴んだその手の持ち主の顔は」

「な、なによ!!」

「イーサクだったのよ〜〜〜!!!」

「や、やめて〜〜〜〜!!!!!!」

「もうさ
トラウマレベルの見せ方
その巧さ!」

「ひ〜〜ん・・・・」

「家族の関係を見せるにもさ
老女の役をやった女優の
セレクトがさ〜〜〜〜」

「なに??」

「まあ、見てみなさい。
なんとも言えない
ほんっとなんとも言えない
存在感なのよ〜〜〜。

そしてまた
それに比べて

若い娘たちの
瑞々しい佇まいったら!!!」

「実際
ベルイマンのミューズだったんでしょ?

ビビ・アンデショーンとイングリット・チューリン

「そうそう
良く知ってるじゃないの」

「とにかくさ
私としたら
これが58年も前に作られたってことも
鑑みて

やっぱ
ベルイマン
只者じゃないな、と。」

「うん」

「このイメージの奔流っぷりは
やっぱり一見の価値アリ!だわよ。」

「ほ〜〜う」

「モノクロ映画の
雄弁さを
ご堪能あれ!!」

「トラウマレベルなのね?」

「トラウマレベルよ!!」


 

posted by kazoo at 14:44| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画(な) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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